「サブスタンス」鑑賞しました!

鑑賞した映画の感想
(ネタバレの箇所がありますので、未鑑賞の方は充分ご注意ください。)
 かつては一身に注目を集め人々の賞賛の的だった人気女優が、年老いて忘れ去られていくことに我慢できず、ある再生医療「サブスタンス」に手を出すことによって若さと美貌を手に入れます。しかし、「ある重要な約束事」を守らなかったことから取り返しのつかない事態を招き…、というストーリーの作品です。主人公は「ゴースト」等数々の有名作品を持つデミ・ムーア。彼女の分身の役としてマーガレット・クアリー。監督はフランス人女性監督のコラリー・ファルジャです。あのデミ・ムーアが今どんな感じなのか、ストーリーもさる事ながら興味があったので鑑賞しました。
 まず思ったのは、監督が女性なこともあってか男性監督では出せない、一種独特のカット割りや撮影方法が新鮮に映りました。プロデューサー役のデニス・クエイドの食事のシーンで、口元のどアップやエビの殻を汁を垂らしながら剥いて食べるところなど、「気持ち悪さ」をこれでもかと強調している点や、主人公エリザベスの分身スーの体のパーツを舐めまわすようにどアップで撮影している点など、個性的で面白かったです。
 次に、エリザベスとスーは個体としては別だが存在としては一体という条件があるんですが、分身のスーが自分の活躍の誘惑に抗いきれず、一週間毎に入替なければならないという「約束事」に背き暴走を始めます。エリザベスもスーの若さと美貌に嫉妬し、自分達は一体であるにも関わらず互いに憎み合い、結果的にスーはエリザベスを殺してしまいます。老いて劣化していくエリザベスの姿はかなり醜くこれに挑戦したデミ・ムーアの女優根性と視覚効果の技術の発達には目を瞠りました。これには、老いて醜くなっていく自分を徹底的に否定したい、という深層心理の表れなのかなと思います。
 加えて、母体であるエリザベスを殺してしまったスーも、大舞台の直前に歯が抜け耳が落ちるという劣化を迎え悲劇的な最期となるのですが、結末のまとめ方はちょっといただけないのではないかと個人的には思います。ご興味のある方はぜひ作品をご覧いただきたいのですが、かなりムチャしたな、もうちょっと何かなかったのか、というのが正直なところです。
 最後に、この作品、R15指定ですが、エリザベスとスーの全裸のシーンがふんだんに入れられておりそれがとても美しいので、興味のある方はお楽しみに!

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