(ネタバレの可能性がありますので、未鑑賞の方は充分ご注意ください)
テロリストとして政治運動に没入していた主人公が、一緒に活動していた彼女との間に
出来た(と思われていた)娘のために大立ち回りを演ずるという本作、確かにテーマとしては
いいのですが、背景として使っている政治情勢にはかなり鼻白む点がありました。
相変わらず左翼テロリストの自分の身が危うくなると平気で組織を裏切る無責任さには
興ざめしましたし、不法移民を取り締まる体制側のキャラクターとしてショーン・ペン演ずる
変態軍人を持ってきて「体制悪、革命善」的二項対立で話を進めていく点は手垢の付きま
くった陳腐さしか感じませんでした。
加えて、変態軍人は職場での功績をもとに上流階級の属する組織に入会しようとしますが、この組織が白人優越主義の人種差別思想に凝り固まったかなりヤバい組織で、最終的にはこの軍人がテロ組織にいた黒人女性と交わったことを隠していた咎で組織に殺されます。あくまでも体制側を悪の塊としてこれでもかとレッテルを張りまくるしつこさは、正直言ってくどいです。お前は1960年代か! いつの時代だ! とツッコミを入れたくなるのは私だけでしょうか?
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