(ネタバレの可能性がありますので、未鑑賞の方は充分注意してください)
「ジョジョの奇妙な冒険」でお馴染みの漫画家荒木飛呂彦の短編シリーズ「岸辺露伴は動かない」の一作品「懺悔室」を原作部分とオリジナルストーリーで構成しており、ヴェネツィアの美しくもどこか暗い街並みを背景に、呪いを巡る恐ろしい物語が展開します。自分自身、このシリーズを鑑賞するのは初めてで、「最高の幸せは最大の絶望を連れてくる」というキャッチコピーに惹かれ期待を胸に鑑賞しました。
前もって原作漫画を読んでおいたこともあって、原作部分の映像は原作のおどろおどろしさをよく表していたと思います。ある仕掛けをすることで、浮浪者の呪いをかわし生き残った男は、常に最高の幸せに達することがない様縁起の悪い行動を繰り返して生きていきます。その行動は自分の娘も巻き込み娘は常に陰鬱な状態に置かれます。
ひょんなことから露伴は娘と知り合い、最愛の男と結婚したいという娘の希望を実現させるべく、娘とその父親に掛けられた呪いと対峙していくのですが、そのうちに露伴自身にも呪いが掛けられてしまいます。男は娘の結婚を何とかして妨害しようとあの手この手を使いますが、露伴の特殊能力「ヘブンズドア」により、娘の結婚を推し進めていきます。男にとって最大の絶望とは何か、突き詰めていった結果露伴が取った結末は… 興味のある方はぜひ作品を鑑賞していただきたいと思います。
世界的に有名な漫画家である岸辺露伴を演じた高橋一生さんは、そのニヒルでクールな感じがとてもよく似合っており、露伴のイメージにぴったりでした。呪いを受ける男に井浦新さん、男の娘のマリアに玉城ティナさんもすばらしい演技で、陰鬱な中に希望を見出そうとする姿が印象的でした。このシリーズ、ぜひとも続編を期待したいです。
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